岳南線

岳南線(がくなんせん)は、かつて吉原から吉原本町を経由して岳南江尾までを結んでいた路線です。

もともとは宿場町吉原と東海道線の連絡のために(後に伊豆箱根鉄道となる)駿豆鉄道の手で1949年に開業し、まもなく(後に富士急行となる)富士山麓電気鉄道系列に加わりました。1960年、吉原中心部と富士、静岡や沼津、東京をダイレクトに結ぶ東名本線の開業に際して保証として東名電車系列に加わりました。電車による都市間高速輸送を担う東名電車において唯一貨物輸送を行う路線かつ、本線と線路が直接接続していない路線として特異な存在であり、旧型電機(※1)を求めて全国から鉄道ファンが集まりました。

沿線の工場から東海道線に貨物を中継する引込み線的な役割を果たし続けてきましたが、JR貨物の合理化に伴って2012年をもって全面的に廃止されました。旅客列車も設定されていましたが、吉原中心部からは東海道線と岳南線を乗り継ぐよりも東名本線を使った方が便利が良かったため、2002年には朝夕の通勤時間帯以外の運行が休止されました。貨物輸送の終了によって収益の柱を失い、本線の培養線としての効果も限定的であり使命を終えたと判断されたため、2013年に廃線となり、旅客輸送は東名バスに引き継がれました。

1…東名電車には他に機関車を使用する路線は無かったため、買収前から在籍していた戦前製旧型電機を使い続けて来ました。人気のある旧型電機で少しでも乗客を集めようとして開かれた「岳南電機フェスタ」は人気を博し、廃線前最後の回では2日間で1万人の集客を得ました。一方、旅客車両については他路線と共通の地方向け車両が使われ、2002年には単行ワンマン運転に対応した最新型の8500系が導入されましたが、収支は芳しくありませんでした。廃線後には本線系統に転属しています。